イギリスには王室制度が残っていますが、王室に関連する建築物も多く残されています。
なかでも貴族と王室の対立によって生まれたロンドン塔は、心霊スポットとしても有名。
今回はロンドン塔の歴史や見どころ、幽霊が見られる(かもしれない)場所などについてお伝えします。
※情報は訪れた時点のものです。最新情報については公式サイト等をご確認ください
基本情報
ロンドン塔(Tower of London)はイギリス・ロンドンのテムズ川沿いにある要塞です。
建設が始まったのは1078年。
イングランドの王に即位したウィリアムの命令により建設が開始、1098年に現在のホワイトタワーが完成しました。
その後も建設が続けられ、完成したのはヘンリー3世の時代。
王朝が移り変わっても、おもに国王が住む宮殿として使用されましたが、13世紀末ごろより監獄として使用され始め、14世紀以降は反逆者などを処刑する場としても使用されました。
また、1625年以降は天文台・造幣所・王立動物園などの用途でも使われています。
夏目漱石も明治33年(西暦1900年)に見学しており、その時の感想を短編小説『倫敦塔』として残しています。
見どころ
ロンドン塔には多くの見どころがあるので、おもな場所を紹介します!
ジュエル・ハウス
ジュエル・ハウス(Jewel House)は王室の宝物を収蔵している場所です。
多くの宝物が展示されていますが、なかでも女王の戴冠式などで使用されるインペリアル・ステート・クラウンや世界最大級の大きさを誇るダイヤモンド『アフリカの星(カリナンI)』が有名。
ただしダイヤモンドは王笏に付けられているので、注意しないと見逃すかも。
僕も見たはずですが、あまり覚えていません・・・
また、鎧兜や指輪、騎馬団の衣装など、王室の行事に関するさまざまなものが展示されています。
ホワイト・タワー
ホワイト・タワー(White Tower)はロンドン塔のなかで、いちばん最初に建てられた塔。
外観が漆喰(しっくい)で白く塗られているため、ホワイト・タワーと名付けられました。
内部は博物館になっており、ヘンリー8世の鎧(よろい)や拷問に使われた道具が展示されています。
ブラッディ―タワー
ブラッディ―タワー(Bloody Tower)はロンドン塔の中でも、悲惨な物語の舞台になることが多かったため『血染めの塔』という名前で呼ばれるようになりました。
エドワード5世とヨーク公リチャードがこの塔で暮らしていましたが、突然消息不明に。
191年後に2人らしき遺体が見つかりました。
また、ノーサンバランド伯ヘンリー・パーシーが自殺したり、ウォルター・ローリー卿が幽閉されていたのもこの塔です。
ウェイクフィールド・タワー
ウェイクフィールド・タワー(Wakefield Tower)はヘンリー3世が宮殿として建築しました。
現在は拷問道具を展示している博物館として使われており、拷問器具が使い方とともに展示されています。
クイーンズ・ハウス
クイーンズ・ハウス(Queen’s House)は、ヘンリー8世が2番目の妻であるアン・ブーリンのために手てた宮殿。
また、エリザベス1世が幼少期を過ごした場所でもあります。
タワー・グリーン
重罪人はタワー・ヒルで公開処刑されますが、王族や貴族はこのタワー・グリーンで処刑され、隣接するセント・ピーター・アドヴィンキュラ礼拝堂で葬られています。
幽霊はココに出現!
ロンドン塔は多くの幽霊が出現することでも有名。ひんぱんに幽霊が目撃される場所を紹介します。
ロンドン塔全体
ジェーン・グレイはイングランド初の女王として即位しましたが、わずか9日間で廃位されたことで知られています。
廃位後はロンドン塔に幽閉、そののち首を落とされて死亡しました。
命日の2月12日になると、白い服を着てロンドン塔に現れると言われています。
タワー・グリーン
頭部のないアン・ブーリンの霊が回廊を歩いたり、礼拝堂の通路で行列を導いている姿が目撃されています。
ヘンリー8世が3番目の王妃に心変わりしたのをきっかけにロンドン塔に幽閉、そののち首を落とされて死亡しました
クイーンズ・ハウス
アルベラ・スチュアートの霊が目撃されています。
その後亡くなるまでクイーンズ・ハウスに幽閉されました
ウェイクフィールド・タワー
ランカスター朝最後のイングランド王・ヘンリー6世の霊が目撃されます。
ブラッディ―・タワー
エドワード5世とヨーク公リチャードが走り回ったり、身を寄せ合って泣いている姿が目撃されます。
ヨーク公リチャードはエドワード5世の弟であり、エドワード5世と共にロンドン塔に幽閉、同じく消息を絶ちました。
後年になって、2人の骨がホワイト・タワーの階段下より見つかりました。
ホワイト・タワー
エドワード5世とヨーク公リチャードの霊が目撃されています。
ロンドン塔のカラスは飛べない
ロンドン塔にはレイヴン(Raven)と呼ばれる6羽のワタリガラスがいます。
昔から『カラスがいなくなると、塔が崩れ王室が没落する』という言い伝えがありました。
このため、空を飛べなくするためカラスの風切羽が切られています。
また、ロンドン塔のカラスは凶暴なので、なるべく近づかないでください
ロンドン塔を歩くビーフイーターとは
ロンドン塔のなかには、赤色と黒色の服を着た人がたくさん歩いています。
この人たちはビーフイーター(Beef Eater)と呼ばれています。
また、ヨーマン・ウォーダー(矛槍兵)と呼ばれることもあります
ビーフイーターは、ツアーガイドやロンドン塔内のカギ締めなどを担当しています。
戻る最中に交わされる「そこを歩くのは誰だ?」「カギ係だ!」「神が女王を守り給わんことを」「アーメン」という会話は、700年前と同じと言われています。
なお、ビーフイーターは退役軍人がつとめ、家族と共に敷地内のアパートに暮らしています。
行き方
ロンドン塔はイギリス・ロンドンのテムズ川沿いにあります。
最寄りのえきは地下鉄CIRCLE線、またはDISTRICT線のタワーヒル駅(Tower Hill)。駅を降りてスグです。
なお、ヒースロー国際空港からロンドンへの行き方はこちらをご覧ください。

観光についての注意点
定休日・営業時間について
定休日は1/1、12/25、12/26です。
営業時間は朝9:00 ~ 夕方17:30。ただし、日・月曜は朝10:00 ~ 夕方17:30、11~2月は夕方16:30までです。
チケット購入
ロンドン塔はとても人気があるので、春~秋のシーズンはとても混みます。
チケット購入にかなり時間がかかる場合もあるので、ネット経由での事前購入か現地発着ツアーへの参加がオススメです。
所要時間について
2~3時間あればひと通り見て周れます。
服装について
敷地内は広く、かなり歩く必要があるので歩きやすいスニーカーがオススメです。

トイレについて
敷地内に数カ所あります。
売店・レストランについて
チケット売り場の近くに、軽食が食べられる場所があります。
また、ロンドン塔内部にもセルフ形式のレストランやスナック類、お土産を売っている売店があります。
個人で訪れる or 現地ツアーに参加する
ロンドン塔はロンドン市内にあり、地下鉄の駅からも近いので個人でも行きやすいです。
ただし、他の観光地の合わせて効率的に巡りたい場合や、日本語で詳しい説明を聞きたい場合は現地ツアーへの参加がオススメです。
世界遺産への登録
1988年に『ロンドン塔』として、世界遺産(文化遺産)に登録されました。

観光のベストシーズン
春から夏(3月~9月)がオススメです。
この時期は気候が良く、雨も少ないので観光しやすいです。
冬は昼間の時間が短く、天気の悪い日も多いのでオススメできません・・・
観光に必要な日数
ロンドンへの往復に丸2日、日帰りでロンドン塔に行くとして合計2.5日かかります。
ただし、飛行機や電車に乗るための待ち時間や、乗継地での待ち時間があるので最低2泊4日必要です。
観光を計画
ロンドン塔を訪れる際の航空券・ホテル・ツアー予約はこちらから可能です。
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