世界の国名を見てみると、アメリカの正式名称は『アメリカ合衆国』、タイは『タイ王国』など国名+国号となるケースが多いです。
では『合衆国』や『王国』といった国号にはどんな意味があるか知っていますか?
今回は、さまざまな国号について、どんな意味があるか紹介します!
君主制か、共和制か
国号は、国の形態によって決まることが多め。
国の形態は君主制か共和制に大別されます。
君主制は一般的には世襲によって国家を治める人がいる形態。反対に共和制は国民に主権があることを指します。
おもな国号
それでは、おもな国号を紹介します。
合衆国(United States)
採用しているのはアメリカ合衆国とメキシコ合衆国の2カ国。
合衆国とは、国内に複数の州が存在する場合に、その連合体であることを示す場合に使われます。
『合衆国』という名前にはさまざまな説がありますが、州の集まりである『合州国』と誤って表記された説や、『合衆制度により治められる国』の略語であるという説があります。
合衆国という国号を採用している国は現在は2カ国のみ。しかし、以前はベルギーやコロンビアでも使われていました。
連邦(Confederation)
連邦とは合衆国と同じく複数の州や国が集まって、それが一つの政府に統治されている形態です。
合衆国との違いはなく、ただの名前の違いだけと考えればOK。
連邦という国号はロシアやオーストラリア、スイスなどで使われています。
また『連邦』という国号を使っている国では、アラブ首長国連邦(通称U.A.E)があります。
こちらはイスラム世界の君主であるアミール(=君主)が支配する国である首長国(Emirate)の集まりということを表しています。
王国(Kingdom)
君主制の国家のうち、国王を元首とする国家の国号として使われます。
世界には国王が統治する国は多く、タイやイギリス、モロッコなど、地域を問わずに使用されています。
公国(duchy / principality)
君主制の国家のうち、貴族が治めている国家の国号として使われます。
現在『公国』という国号を使用している国はモナコやアンドラ、リヒテンシュタインなど、小さめな国が多いです。

また、ルクセンブルクは大公国(grand duchy)という国号が付いていますが、これは治めている貴族の爵位が『大公国』のため。
現在、大公国という国号はルクセンブルクのみが使用していますが、過去にはリトアニアやフィンランドでも使われていました。
共和国(republic)
共和国とは国王や貴族などの国を統治する人いない、共和制の国で使われる国号です。
使用している国は世界中にあり、どの地域にもまんべんなく多いです。
ほかの名称と合わせて使われる事も多く、ベトナムであれば社会主義共和国、中国であれば人民共和国(中華人民共和国)など。
そのほかにも民主共和国、連邦共和国(ブラジルなど)、東方共和国(ウルグアイ)などがあります。
多民族国(Plurinational State)
複数の民族で構成される国で使われる国号です。
現在この名称を使用しているのは、ボリビアのみです。
独立国(Independent State)
国際社会の他の国との関係において、外部の支配からは自由である国家で使われる国号です。
サモアやパプアニューギニアなど、オセアニア地域の国で使われることが多いです。
日本のケース
日本は天皇陛下を君主としていますが、国の政治に関わる権力は持っておらず『象徴天皇』です。
また、選挙で国会議員を選び、その中から元首である総理大臣が任命されると考えると共和制の国であるとも言えますが、君主制・共和制どちらの国号は使用していません。
なお、以前は『大日本帝国』という国号を公式に使用していたこともありますが、第二次世界大戦後あたりからは使われなくなりました。
まとめ
国号を知れば、その国のおおよその成り立ちを知ることができます。
旅行前に覚えて、その国の理解を深めましょう!