どうしてウユニ塩湖やナイアガラの滝、伊勢神宮は世界遺産ではないのか!?原因は「真正性」が関係しています

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現在、旅行先を決める時に「世界遺産かどうか」というのは大きな要素となっています。

世界中にはピラミッドやマチュピチュ遺跡など、だれもが素晴らしいと認める世界遺産が多くありますが、反面「こんなに素晴らしいのに世界遺産じゃないの!?」という場所も多いです。

今回は世界的に有名な場所や建物について、なぜ世界遺産に認められていないのかについてお伝えします。

世界遺産とは

世界遺産をひとことで表すと「顕著で普遍的価値を持つ建築物や自然」です。

世界遺産は世界に1,200カ所以上あり、認められた場所にはこのような石碑が建てられています。

カンボジア・バンテアイスレイの世界遺産の石碑

世界遺産について詳しく知りたい場合はこちらをご覧ください。

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世界遺産に認定されるための条件

世界遺産に認められるためにはいくつかの条件がありますが、大まかには次の3つを満たしている必要があります。

1.遺産保有国が世界遺産条約を締約している
2.遺産保有国から推薦された場所や自然である
3.世界遺産委員会での審議により、世界遺産登録にふさわしいと認められた
台湾は世界遺産条約を締約していません

他にも細かな条件がありますが、それらについては後述します。

 

世界遺産に認められない理由

それでは僕が世界遺産検定の勉強する前、「ここはどうして世界遺産じゃないの?」と思っていた場所について、世界遺産に認められていない理由について解説します。

ウユニ塩湖

ウユニ塩湖は南米ボリビアにある超巨大な塩湖です。

雨季は水面が鏡張り、乾季は乾燥した塩の大地が広がる圧倒的にスゴい景観を楽しめます。

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僕が南米旅行をしたときはメインの目的地として、マチュピチュとウユニ塩湖を訪れました。

両方とも比べられないぐらい素晴らしい場所だったので、当然どちらも世界遺産に登録されているかと思っていましたが、実際はマチュピチュのみ世界遺産に登録されています。

ウユニ塩湖が世界遺産に登録しない・されない理由は、おもに下記の2点とされています。

1.塩の採掘
2.オーバーツーリズムによるゴミ問題

ウユニ塩湖の塩は採掘、精製されて商品として販売されており、地元住民の生活を支えています。

ウユニのコルチャニ村

しかし、もし世界遺産に登録されてしまうと世界遺産で重要視される「真正性」により塩の採掘ができなくなる可能性も・・・

真正性(しんせいせい)とは、文化遺産の形状や材料などがオリジナルの状態を維持していることです

また観光客の増加によるオーバーツーリズム(観光公害)により、ウユニ塩湖内に落ちているゴミが問題となっています。

プラスチックなどは分解されず半永久的に残ることにより、自然にも悪影響を及ぼします。

世界遺産への登録を審議するさい、ごみ問題に対する対策を求められることもあり課題とされています。

ナイアガラの滝

世界三大瀑布は「ナイアガラの滝」「ビクトリアの滝」「イグアスの滝」の3カ所ですが、この中でナイアガラの滝のみ世界遺産に登録されていません。

ナイアガラの滝

世界遺産に登録されていない理由は、ウユニ塩湖と同じく「真正性」を満たしていないため。

昔の滝は現在よりかなり下流にありましたが、長年の侵食により現在の位置に移動しました。

1年間で約100センチメートルも削られていました

このまま侵食が進んでしまうと、いずれ滝が無くなってしまうことが懸念されるため水力発電のダムを設けて水量をコントロールしています。

現在は1年間で3センチメートル削られるだけになりました

景観を守るためには良いことですが、自然本来の形ではない(=真正性を満たしていない)とみなされることに。

また、滝周辺に観光客向けの娯楽施設が多く、自然が損なわれている点が世界遺産の理念に合致しないため登録に至っていません。

伊勢神宮

日本にある世界遺産といえば「姫路城」「日光東照宮」「厳島神社」などがありますが、伊勢神宮も知名度や歴史などでは負けていません。

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ではなぜ世界遺産に登録されていないのかと言えば、やっぱり「真正性」が問題となっています。

真正性は「創建された当時の状態(工法や材料)を現在に伝えている」という点が重要視されていますが、ここで問題となるのが式年遷宮

式年遷宮は20年ごとに正宮などが新しく建て替えられますが、これにより工法は問題ないものの創建された当時の材料が現在に伝えられていないことになるため、真正性を満たしていないと判断されてしまうのです。

伊勢神宮内宮の正宮

 

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これらの遺産が登録される可能性はあるのか?

今回紹介された場所は現状のままなら世界遺産に登録される可能性は低いですが、伊勢神宮は「もしかしたら?」の可能性があると思っています。

もともと世界遺産はヨーロッパ諸国の石造りの建築が前提となっており、日本をはじめとしたアジアの国々の木造建築に対しての理解度が低く、世界遺産に登録されづらい状況だったこともあります。

しかし、奈良で行われた会議により木造建築に対する保護・保全について理解を深めたことにより、世界遺産に登録されやすくなりました。

この会議は「真正性における奈良会議」と呼ばれています

伊勢神宮は式年遷宮による建て替えが世界遺産に登録されない大きな理由です。

しかし、登録に向けた調査を行う機関(イコモス)や世界遺産委員会に式年遷宮についての理解を深めてもらい、「建て替えでも真正性に問題なし」という認識を持ってもらうことができれば可能性があがると思います。

 

まとめ

今回は世界遺産として認められない場所や建物を紹介しましたが、「世界遺産ではない=見るに値しない」ということはありません。

世界遺産の枠組みにあてはまらないだけであって、素晴らしいことには変わりません!

自分だけのお気に入り遺産「マイ遺産」に心のなかで登録してはいかがでしょうか?

 

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