2020年に全世界を巻き込んで感染拡大した新型コロナウィルス。
観光業界をはじめ、さまざまな分野に影響をおよぼしていますが、その影響は世界遺産にも。
世界遺産への登録を決める世界遺産委員会の開催が延期されることになってしまいました・・・
今回は世界遺産、および日本の遺産候補への影響についてお伝えします。
世界遺産とは
世界遺産をカンタンに説明すると、「顕著な普遍的価値を持つ遺跡や建物、自然」のことです。
詳しくはこちらをご覧ください。
世界遺産への登録方法
世界遺産への登録は年1回開催される世界遺産委員会で、審議により決定されます。
審議対象となるには長い道のりがあり、次のような手順が必要。
- 世界遺産条約を締結
- 世界遺産暫定リストに登録
- 世界遺産の審議対象とする遺産を決定、登録推薦書にまとめる
- 世界遺産センターに登録推薦書を提出
- 世界遺産センターが専門機関により候補地が登録に値するかの調査を依頼
- 結果をもとに報告書を作成し、それをもとに世界遺産委員会で審議
登録推薦書を世界遺産センターに提出しても、そこから登録決定まで約1年半という長い期間がかかります。
2020年の世界遺産委員会は延期
世界遺産登録を決定する2020年の世界遺産委員会は、6月末より中国の福建省福州市で開催される予定でしたが、新型コロナの感染拡大のため延期されました。
過去も開催地の情勢不安により、パリにあるユネスコ本部での開催となったことも・・・
しかし、ヨーロッパをはじめとして全世界に感染が拡大していることもあり、延期されることになりました。
現在は「延期」ですが、現在の状況を見ると早くて秋、もしかしたら今年は「開催なし」となる可能性もありそうです。
日本の登録遺産候補
日本は2020年の世界遺産委員会で審議対象として『奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島』を提出予定でした。
日本が提出した世界遺産候補は2013年以降、毎年世界遺産に認定されており今年も登録が期待されていましたが延期に・・・
1回の世界遺産で審議対象とできる数は決まっているので、2021年・2022年にそれぞれ登録を目指していた下記の遺産についても、登録審議対象となるタイミングが後ろ倒しになりそうです。
2020年:「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」
2021年:「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」
まとめ
世界遺産登録により観光客の増加を見込めるため、世界遺産委員会の開催を待ち望む声も多いですが今はガマンの時。
観光業界がいつも通りになるまで、海外旅行はしばらく控えましょう!