感染拡大から1年を経過したものの、まだまだ猛威を振るっている新型コロナウイルス。
ヨーロッパでは新型コロナウイルス対策として、ワクチン・パスポートの導入が検討されています。
今回はワクチン・パスポートについての詳細と、EU内の温度差について紹介します。
猛威を振るう新型コロナウイルス
中国・武漢で2020年1月ごろより発生が報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、1年以上経過した2021年3月時点でも終息には至っていません。
2021年2月末時点での統計では総感染者数1.14億人、死亡者数253万人。
ワクチンが承認されたものの、変異種が見つかったりとまだウイルスとの戦いは続きそうです。
ワクチン・パスポート計画とは
ワクチン・パスポート計画とは、2021年1月のEU(欧州連合)の首脳会議でギリシアが提案した計画で、EU加盟国に入国する際にワクチン接種の証明書を入国条件とすることです。
ワクチン接種の証明書を提出することにより、PCR検査や自主隔離などの制限を緩和することも検討されています。
ワクチン・パスポート計画が提案された狙いは、2021年夏のバカンスシーズンに向けて観光業の復興につなげること。
『ワクチン・パスポートを持っていれば感染拡大の可能性は低い』という認識を広め、国境を越えた旅行を活発化させるのが狙いです。
EU内でも意見が分かれています
EU(ヨーロッパ連合)内でもワクチン・パスポートを導入するかについて意見が分かれています。
賛成派の国はギリシアをはじめとしてスペイン、イタリア、オーストリア、デンマークなどの国々。
対して導入慎重派はフランスやドイツ、ベルギーなど。
理由はさまざまですが、
- ワクチンに対して科学的な疑問が残っている
- 接種者が少ない時点での導入は差別につながる
などがあげられます。
賛成派は観光が最大の産業である国といった印象です。
ワクチン・パスポート導入については継続的に話し合いが進められているものの、2021年2月末に行われたEU首脳会議でも結論は出ていません。
グリーン・パスポートの発行は始まっています
ワクチン接種の証明書については、イスラエルがすでに「グリーン・パスポート」と名付けて発行が始まっています。
「グリーン・パスポート」は国内のイベント会場への入場や、映画館やジムを利用する際に提示を義務付けられており、今後日本を含めた世界各国で同様のしくみが導入されそうです。
まとめ
新型コロナウイルスとの戦いも中盤戦。
観光産業の疲弊ぶりを考えると、今後は対策をしながら観光もする方策が求められています。
ワクチン・パスポートも有力な対策のひとつと考えられるので、推移を見守りましょう!