現在日本の世界遺産は23件ですが、先日登録勧告された奄美大島に続き、北海道・北東北の縄文遺跡群も世界遺産として登録されそうです!
今回は世界遺産に登録される流れと、北海道・北東北の縄文遺跡群の構成要素についてお伝えします。
世界遺産とは
世界遺産をカンタンに説明すると『後世に残すべき建築物や自然』のことです。
毎年世界遺産委員会で登録に値しているか審議され、2020年時点では1121件(日本は23件)の世界遺産が存在しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
世界遺産登録の流れ
世界遺産に登録されるには、いくつかの段階があります。ざっくりと説明すると次のとおりです。
- 世界遺産条約を締結する
- 世界遺産候補地をその国の暫定リストに登録する
- 毎年暫定リストから候補地を選び、専門機関に調査を依頼する
- 専門機関が世界遺産登録にふさわしいか調査する
- 専門機関が勧告を行う(登録/不登録など)
- 勧告をもとに世界遺産委員会で世界遺産登録が審議、登録または不登録などが決定される
暫定リストから候補地を選んでから世界遺産登録には数年かかるなど、長い道のりがあります・・・
2021年に日本から推薦された候補地
2021年の世界遺産委員会で審議される候補地として、日本からは次の2件が推薦されました。
- 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)
- 「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)
通常は年間1件ずつの推薦ですが、2020年の世界遺産委員会が新型コロナの感染拡大の影響で中止となり、2021年に2年分審議されることとなりました。
北海道・北東北の縄文遺跡群が評価されたポイント
世界遺産として登録するに値するかどうかを、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が2020年9月に調査していました。
そして次のポイントが評価され、世界遺産への登録が勧告されました。
- 1万年以上にわたって営まれた、狩猟や採集を基盤とした定住生活の変遷を網羅している
- 農耕以前の人類の生活実態を示している
今後の流れ
登録勧告はされたものの、現時点では世界遺産に正式登録されていません。
2021年7月に開催される世界遺産委員会で正式に決定します。
しかし、専門機関(ICOMOS)による調査に基づいた勧告が『登録』の場合、今までは世界遺産委員会でも『登録』となっているので、99.9パーセント登録されると考えてOKです。
世界遺産として登録される場所は?
今回「北海道・北東北の縄文遺跡群」として、下記の場所が世界遺産の構成要素として登録される見込みです。
- 垣ノ島遺跡(北海道函館市)
- 大船遺跡(北海道函館市)
- 大平山元遺跡(青森県外ヶ浜町)
- 小牧野遺跡(青森県青森市)
- 三内丸山遺跡(青森県青森市)
- 大森勝山かつやま遺跡(青森県弘前市)
- 亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)
- 是川石器時代遺跡(青森県八戸市)
- 御所野遺跡(岩手県一戸町)
- 伊勢堂岱遺跡(秋田県北秋田市)
- 北黄金貝塚(北海道伊達市)
- 入江・高砂貝塚(北海道洞爺湖町)
- 田小屋野貝塚(青森県つがる市)
- 二ツ森貝塚(青森県七戸町)
- 大湯環状列石(秋田県鹿角市)
- キウス周堤墓群(北海道千歳市)
まとめ
まだ正式登録ではありませんが、ほぼ確実と考えて間違いありません。
先日勧告された奄美大島と共に、2021年7月16日からに開催される世界遺産委員会での正式決定を待ちましょう!