杭州は中国・上海からの日帰り旅行にピッタリな都市。
西湖を中心とした旅情あふれる風景は、歴史ロマンを感じさせてくれます。
今回は杭州にある見どころや、観光する時の注意点などについてお伝えします。
※情報は訪れた時点のものです。最新情報については公式サイト等をご確認ください
基本情報
杭州は上海の南西100キロほどの場所、西湖のほとりにある古都。
歴史は古く、秦(しん)の始皇帝が銭唐県を設置したことが始まりと言われています。
隋(ずい)時代には、北京から杭州まで続く大運河・京杭大運河が造られ、交易の一大拠点とされていました。
杭州は古来より『天に極楽あり、地に蘇州と杭州あり』と呼ばれるほどの場所。
その美しさは、冒険家マルコ・ポーロにより『世界でもっとも美しく、華やかな街』とたたえられています。
見どころ
杭州と言えば西湖が有名ですが、それ以外にも多くの歴史遺産があります。
霊隠寺 (灵隐寺)
霊隠寺は中国禅宗十刹のひとつ。雲林禅寺とも呼ばれています。
南北朝時代の326年にインドの僧・慧理によって建立。慧理が、このあたりに亡くなった修行者の霊がいると感じたことから霊隠寺と名づけられました。
内部へ。
内部はかなり広く階段も多い印象です。僕は訪れた時は雨が降っていました。
石仏群は石灰岩をくり抜いて石像が彫られた場所。布袋様もいます。
霊隠寺は石を掘って作られた石像(石刻像)が380体いると言われています。
天王殿には東西南北それぞれに金剛像が展示。日本と比べると服装が派手な感じです。
大雄宝殿へ。
宝殿内部には釈迦牟尼仏があります。
霊隠寺には今まで紹介したような、ごく普通の仏像もありますが、変わり種も。
たとえば華厳殿にある仏像。
・・・青い!
初めて見た時は頭部の青さにオドロキました。
霊隠寺を歩いていると、ひときわ目立つ黄金の像。
この像は、日本でもおなじみの空海です。
空海が仏法を学ぶために中国を訪れ、その途中で霊隠寺で参拝。
その後、2002年に中国と日本の国交正常化30年を記念して像が建てられました
霊隠寺内は彫られた石像が多くありますが、芸術的なレリーフもあります。
霊隠寺内部はとても広く見どころがいっぱい。ひととおり見て周るのに、だいたい2時間はかかります。
杭州駅から霊隠寺に行くには、タクシーかバスが便利。
僕は杭州駅からバスで霊隠寺に向かいました。
乗ったのはY2路のバス。案内板で霊隠というバス停の名前を探していたけれど見つからない・・・
それもそのはず、簡体字で『霊隠』を意味する『灵隐』と書かれていました。たまたま通りがかりのオバさんが教えてくれたので助かりました。
定休日と営業時間はこちらです。
定休日 :なし
営業時間:朝7:30~夜18:00
岳王廟 (岳王庙)
岳王廟(岳廟)は宋代の武将・岳飛をまつる陵墓(皇族の墓)です。
岳飛は北方から攻めてきた敵から江南の地を奪回しようとしましたが、秦檜の陰謀により謀反の罪を着せられて投獄、獄死させられました。
その後、無事に疑いが晴れ、1221年に陵墓が建てられました。
こちらが大殿にまつられている武将・岳飛です。
こちらも岳飛。
別の建物のものですが、『民族の光』とたたえられています。
こちらが敷地内にある岳飛のお墓です。
岳飛の墓の向かいには、投獄されている秦檜と妻、家臣2名の合計4名の像が設置されています。
後ろ手に縛られて、まるで岳飛に向かって謝罪しているよう。
僕が訪れた時は雨が降っていたので、より悲しげな感じでした。
岳王廟はお墓ということもあり、それほど広くないので1時間あればひととおり見てまわれます。
中国の歴史に興味があれば楽しめますが、そうでない方は少し退屈かもしれません。
岳王廟に行くには、7・27・51・52・Y2路のバスに乗り、岳廟(岳庙)で降りてすぐです。
定休日と営業時間はこちらです。
定休日 :なし
営業時間:朝7:00~夜18:00
西湖
西湖は蘇州のシンボルともいえる湖です。
その名前は絶世の美女として知られる西施が、この湖で入水し命を絶ったという伝説から名づけられました。
僕が訪れた時は雨だったので、非常に残念な風景に・・・
いつもはこんな感じでとても美しいです。
また、湖の周囲には西湖十景と呼ばれる名勝地が点在しています。その十景は次のとおりです。
- 花港観魚(鯉が泳ぐ紅魚池や牡丹園)
- 断橋残雪(雪見の名所の橋)
- 曲院風荷(約100種類以上の蓮が植えられている)
- 三潭印月(湖面から突き出ている石灯籠)
- 双峰挿雲(湖心亭から見る2つの山の峰)
- 平湖秋月(月見の名所)
- 蘇堤春暁(全長2.8キロメートルの土堤)
- 南屏晩鐘(浄慈寺の鐘楼の音色)
- 雷峰夕照(呉越王が建立した雷峰塔から見る夕日)
- 柳浪聞鶯(約500本の柳が植えられた公園。ウグイスが鳴く)
すべて4語の漢字でまとめられています。
十景は南宋時代に決められたもの。経年により景観が変化していたり、季節によっては良さが発揮できない場所もあるので、一度にすべてを楽しむのは難しいです。
西湖のほとりには小説家・魯迅の銅像もあります。
また、僕は乗っていませんが遊覧船で西湖遊覧を楽しむことができます。
乗り場所は中山公園や、西湖十景のひとつ柳浪聞鶯の近くなどにあります。いったん降りても同じ会社の船なら再乗船が可能なので、うまく使えば西湖十景を効率的に観光できます。
西湖に行くなら徒歩が便利。杭州駅から西に真っすぐ歩くと、だいたい20分で着きます。
行き方
上海から杭州へ行くには新幹線(和諧号)が便利。上海虹橋駅から出ている新幹線に乗るのが一般的。
だいたい1時間かかります。
僕は上海南駅から出発する鉄道に乗りました。
日本で言えばグリーン車に相当する席でしたが、日本の普通席の方がキレイ。また車内でカップラーメンなどが売られており、とても庶民的な感じでした。
上海南駅から鉄道で行く場合、杭州駅までは2時間弱かかります。
観光についての注意点
所要時間について
今回紹介した場所をすべて周るなら丸1日あれば大丈夫です。
他の観光地も見たいなら、杭州でで1泊したほうが良いです。
服装について
敷地面積が広いところばかりで思ったよりも歩く必要がありますので、歩きやすいスニーカーがオススメです。
また、僕は冬に訪れましたが、西湖周辺はめちゃくちゃ寒かったです・・・
ダウンジャケットやヒートテックなどで、防寒対策をシッカリとおこなってください。
トイレについて
各観光地にありますが、それほどキレイではありませんでした。
売店について
水や軽食を売っている屋台は各観光地にありました。
個人で訪れる or 現地ツアーに参加する
杭州駅まで新幹線で行けるので個人でも行きやすいですが、観光スポットによっては地下鉄からかなり歩かなければいけません。
また、霊隠寺などの観光名所は構内が広く、ずっと歩きっぱなしになるので思ったより疲れます・・・
杭州を観光するなら、専用車で効率的に移動できる現地発着ツアーがオススメ。
日本語ガイドが付いていれば、より詳しく見どころが理解できます。
世界遺産への登録
2011年に『杭州にある西湖の文化的景観』として世界遺産(文化遺産)に登録されました。
今回紹介した場所は、すべて構成資産に含まれています。
観光のベストシーズン
春(3~5月)、および秋(9~11月)がオススメです。
夏は蒸し暑く、雨の日が多いのでオススメできません・・・
観光に必要な日数
上海への往復に丸1日、日帰りで杭州に行くとして合計丸2日かかります。
ただし、飛行機や電車に乗るための待ち時間や、乗継地での待ち時間があるので最低2泊3日必要です。
観光を計画
杭州を訪れる際の航空券・ホテル・ツアー予約はこちらから可能です。
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