スペイン・グラナダの丘の上に建つアルハンブラ宮殿。
スペインは世界遺産の宝庫ですが、なかでも赤茶色の建物が印象的なこの建物は、スペインにおいてのイスラム文明の象徴でもあります。
今回はアルハンブラ宮殿の見どころと、観光時の注意点などについてお伝えします。
※情報は訪れた時点のものです。最新情報については公式サイト等をご確認ください
【追 記】
2018/07/26 所要時間について追記
2018/05/10 休館日について追記
2018/02/24 『アルハンブラ宮殿に泊まる』を追記
基本情報
アルハンブラ宮殿は、もともとはイスラム教徒の軍事要塞として造られました。
その後、13世紀にアルアマール王による宮殿の建立など、歴代の王によりさまざま改築が重ねられ14世紀に今のかたちに。
ただし宮殿とは呼ばれていても内部には庭園や学校、城塞などの機能も備えています。
見どころ
アルハンブラ宮殿内はおもに庭園(ヘネラリフェ・パルタル庭園)・宮殿(ナスル宮殿)・城塞(アルカサバ)の3つのエリアに分かれていますので、それぞれの見どころを紹介します。
ヘネラリフェ (Generalife)
ヘネラリフェとは、夏の離宮としてつくられた別荘です。
そのため、いたるところに水路や噴水が設けられており、別名『水の宮殿』とも呼ばれています。
なかでもアセキアの中庭(Patio de la Acequia)はイスラム=スペイン様式を代表する庭園です。春から秋にかけては、キレイな草花を見ることが可能。
また、植物で作られたアーチが設置されるなど凝ったつくりとなっています。
アルカサバ (Alcazaba)
アルカサバはアルハンブラ宮殿の中でもっとも最初に作られた場所で、モーロ人により9世紀に軍事要塞として建てられました。
見張り台からはグラナダの街並みを一望できます。
ナスル宮 (Palacios Nazaries)
アルハンブラ宮殿の中心部はナスル宮。
ナスル宮はさらに3つの宮殿に分かれていますので、それぞれ説明します。
メスアール宮(Palacios Mexuar)
ナスル宮に入るとすぐメスアール宮のメスアールの間(Sala del Mexuar)があります。ここは宮殿の中でも最も古い部分であり、司法と行政が執り行われていました。
内部の装飾は本当に細やか。イスラム文化の美しい装飾がいたる所に施されています。
コマレス宮 (Comares)
コマレス宮は宮殿の中心部です。
大使の間(Salon de Embajadores)を抜けると、そこはアラヤネスの中庭(Patio de los Arrayanes)。
アラヤネスの中庭には大きな池があり、風がなければ逆さ富士のようにコマレスの塔が池に写される絶景を見ることができます。
ライオン宮 (Leones)
コマレス宮を通り過ぎると、そこはライオン宮。ライオン宮には12頭のライオンの像の噴水が目印のライオンの中庭(Patio de los Leones)があります。
ライオンの中庭に面してアベンセラッヘスの間(Sala de las Abencerrajes)、諸王の間(Sala del Ray)、二姉妹の間(Sala de las Dos Hermanas)の3つの間があります。
3つの間は王族のプライベート空間であり、より細やかな装飾が施されています。
その他の場所
ヘネラリフェ・アルカサバ・ナスル宮殿以外にも見どころがあるので、いくつか紹介します。
サンタ・マリア教会 (Iglesia de Santa Maria)
サンタ・マリア教会は、ナスル朝時代のモスクのあった場所に建てられたカトリック教会です。
内部はそれほど広くなく、見るべきものも少なめ。天井に星型の穴が開けられているのが可愛らしいです。
カルロス5世宮殿 (Palacio de Carlos V)
カルロス5世宮殿は、アルハンブラ宮殿の中では異質な存在感を放っています。
コルドバのメスキータに、カテドラルを増築したことでも知られるカルロス5世の命令により、ルネッサンス様式で建てられました。
カルロス5世宮殿とアルカサバの間には広場がありますが、ここにはたくさんの猫が!
ざっと見ただけでも、30頭ほどは居るようでした。
全体的に人懐っこい猫が多いですが、攻撃してくることもあるので必要以上に触らないように注意してください。
入場チケット予約は必須
スペイン屈指の観光地であり、1日あたりの人数制限があるので予約は必須。
ピークシーズンなら数カ月前、ローシーズンでも3週間前には予約しておきましょう。
チケット発券が必要
他の観光地ではネット予約すれば、そのまま入場できる場合が多いですが、アルハンブラ宮殿では前もって発券処理を行う必要があります。
発券処理を行うことができるのは2カ所。
まず1カ所目ですが、カテドラル近くにあるアルハンブラ事務所にて行うことが可能です。
こちらは場所が分かりにくく、担当者が不在の場合もあるので時間の余裕がある時に行くようにしましょう。
また、アルハンブラ宮殿のチケット売り場付近にある端末でも可能です。
チケット売り場左手の建物にひっそりと置かれているので見逃しがち。
下記の画像で説明すると、緑色のディスプレイの真下から入り、左手側にある端末が発券機です。
もし事前予約していない場合、早朝から並べば購入できる可能性はありますが、僕が12月末に訪れた時は朝10時の時点ですべて売り切れでした。
どうしても購入したい場合は、チケットが売り出される朝8時前から並ぶことをオススメします。
グラナダ中心部からの行き方
アルハンブラ宮殿は、グラナダの丘の上に建っています。
グラナダ中心部からアルハンブラ宮殿に行くには、徒歩または車で行くのが一般的。
市内中心部(カテドラル周辺)からアルハンブラ宮殿はそれほど離れておらず、徒歩で20~30分程度しか離れていません。
しかし丘の上に建っていることもあり、行きはずっと上り坂なのでタクシーまたはバスでの移動がオススメです。
バスで行く場合、市内を循環しているアルハンブラバスのC3路線が便利。バスは小型で真っ赤な車体が特徴的です。
グラナダの空港からグラナダ中心部への移動は、こちらの記事をご覧ください。
観光についての注意点
休館日・開館時間について
月曜が休館日です。
開館時間は朝9:00~夜18:00。ただし日曜は昼15:30までです。
所要時間について
内部はとても広いので、一通り見て周るのに最低3時間は必要です。
入退場について
アルハンブラ宮殿へ入るためにはチケット売り場横の入口のほかに、裁きの門や車両の門からの入場も可能です。
入場時にチケットのチェックが行われない場合がありますが、ナスル宮やアルカサバなどへ入場する時に再度チケットのチェックが行われます。
予約時間について
予約する時に時間を指定しますが、指定した時間はアルハンブラ宮殿への入場時間ではなく、内部のナスル宮殿への入場時間です。
もしチケット売り場横の入場口から入る場合、観光しながらだとナスル宮殿に到着するまでに1時間程度かかるので、それを見越した時間帯に入場してください。
服装について
冬であっても意外と温暖で歩くとぽかぽかしてくるので、すぐに脱げる上着を着ていきましょう。薄手のダウンジャケットがあると便利です。
また内部はとても広く、数キロメートル歩く必要がありますので、スニーカーなどの歩きやすい靴がオススメ。
トイレについて
敷地内に数多くあるので心配ありません。
売店について
チケット売り場付近とカルロス5世宮殿付近にあります。
アルハンブラ宮殿に泊まる
スペインにはパラドール(Parador)と呼ばれる、修道院や古城などの歴史的な建造物を改築したホテルがあります。
アルハンブラ宮殿内にも修道院を改築して作られたホテル『パラドール デ グラナダ(Parador de Granada)』があり、宿泊することが可能です。
ここに泊まれば、静寂につつまれたアルハンブラ宮殿を楽しむことが可能ですが、とても人気があるので早めに予約する必要があります。
個人で訪れる or 現地ツアーに参加する
場所も分かりやすく、市内中心部からも近いので個人でも十分に周れます。
しかし、日本語ガイドによる説明を聞きたい場合や、他の観光地と合わせて効率的に巡りたいなら現地ツアーへの参加がオススメです。
世界遺産への登録
1984年に『グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン地区』として、世界遺産(文化遺産)に登録されました。
観光のベストシーズン
春から秋にかけて(3~11月)が特にオススメです。
冬(12~2月)でも寒さはそれほど厳しくありませんが、庭園に咲いている花が少なくなります。
また、1年を通じて降水量は少なめです。
観光に必要な日数
グラナダへの往復に2.5日、日帰りでアルハンブラ宮殿に行くとして合計丸3日かかります。
ただし、飛行機や電車に乗るための待ち時間や乗継地での待ち時間があるので最低でも4泊6日必要です。
こんな出来事がありました
フラメンコ鑑賞
フラメンコショーを鑑賞しました。ショーの流れは、こちらをご覧ください。
観光を計画
アルハンブラ宮殿を訪れる際の航空券・ホテル・ツアー予約はこちらから可能です。
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